流産の記録。妊娠がわかった日から完全流産までの私の経過
はじめに
流産についての情報は、ネットで調べても断片的で、パターンも人それぞれ。
何を信じていいのか分からず、私は「良い情報だけを信じたい」と思っていた。
最初は、流産だなんて思いたくなくて、自分の不安を打ち消すように都合のいい記事ばかり読んでいた。
この記録は、そんな中での私の体験です。
妊娠がわかってから、完全流産に至るまで、どんな風に感じて、どんな時間を過ごしたのか。
同じような状況の方がいたら、少しでも心の支えになったら嬉しいです。
妊娠がわかった日。「やっとだ」と思った
1回目の妊娠は、検査薬が陽性になった日、心の中で「やっとだ!」と叫んでいました。
でもまだ確実ではないから、気持ちを抑えて、病院に行くまで誰にも言わなかった。
旦那にも、妊娠が確定してからサプライズで伝えました。
エコーで胎嚢が確認でき、先生が「妊娠していますね」と言ってくれた時は、夢のようだった。
ただ、旦那は複雑な表情をしていて、喜びよりも不安の方が大きかったようでした。
仕事が忙しくなり始めた時期で、ストレスも感じている中でコンディションが良くなかったこともあり、「自分のせいで流産になるんじゃないか」と思っていたみたい。
私はその時、流産はもっとまれなことだと信じていたから、その不安に少し動揺しながらも、「大丈夫だよ」と言い続けていました。
2回目の妊娠は、前回の経験がある分、不安の方が大きかった。
それでも、妊活に夫婦でしっかり向き合い、サプリやタイミングも意識していたから、「今度こそは…」という希望もありました。
つわりの有無が、希望と不安を生んだ
1回目の妊娠では、つわりがまったくありませんでした。
ネットで「つわりがなくても大丈夫」という記事を読んでは、「自分もそうなんだ」と信じ込もうとしていたけど、
実際は多くの人につわりがあることも知っていて、不安な気持ちが拭えなかった。
2回目は、ご飯の匂いや出汁の香りが気持ち悪く感じる日があり、
「ああ、今回はちゃんと妊娠できているかもしれない」と、希望を持つことができました。
でも同時に、下腹部の痛みが時々あって、不安もつきまとう毎日でした。
それは突然の出来事だった(1回目の流産)
病院の2回目の受診を待つ間、下腹部の痛みと出血が始まりました。
休日の夜間だったけれど、電話をして病院へ行くと、先生は「難しいかもしれないね」と。
帰宅後すぐに胎嚢が出てきて、その時の痛みと喪失感は、今も忘れられません。
その後、自然排出を選び、3ヶ月ほど経過観察が続きました。
最後の診察で「きれいに出てますね」と言われた時、ようやく一区切りついたような気がして。
診察料は不要で、先生の優しさに救われた気持ちでした。
今度こそと思ったけど…(2回目の流産)
2回目は、初診で胎嚢が18mmほどと大きめ。
でも胎芽が見えず、不安が募る中での2週間後の診察では、
やっと胎芽と心拍が確認できたものの、心拍はとても少なかった。
病院にはお腹の大きい妊婦さんがたくさんいて、打ちひしがれる気持ち。
帰り道、自暴自棄になって、「またうまくいかないのかもしれない」と泣いた。
この世のすべてが嫌になって、どこかに行ってしまいたいと思った。
家に着くと、友人から出産内祝いが届いていて、それが追い打ちのように感じられた。
その2日後、つわりのような気持ち悪さで昼食を食べずに横になり、夜には脱力感と下腹部の痛みで何もできなかった。
段々と腹痛が強くなり、少しずつ出血してきたので病院に電話をすると「流産の可能性が高いです」と。
電話越しには、産まれたての赤ちゃんの泣き声が聞こえてきて、心がぎゅっと締めつけられた。
涙が止まらなくなり、言葉にできないほどの寂しさと虚しさに包まれた。
その後、出血が増え、胎嚢も出てしまった。
だけど、不思議とそのとき、ふと思ったんです。
まだわずかだったけど、つわりのような症状があって、私は「この子、限られた命の中で一生懸命生きてくれていたんだ」と思った。
絶望に近い感情で自暴自棄になっていた私の中に、愛おしさが溢れてきました。
小さな命は、ちゃんとそこにいて、私のお腹の中で生まれて、育とうとしてくれていた。
流産はとても辛い経験だったけれど、「命」が宿っていた事実そのものが、私にとってはかけがえのないことだったんだと、気づかされた瞬間でもありました。
旦那は、仕事で疲れていた中、その日はずっとお腹や腰をさすってくれて、
「頑張ってくれてありがとう」と言ってくれたから、心が救われた。
それでも、前を向こうと思えるようになってきた
流産後は、
なんてこともなく過ごせる日々もあれば、突然どうしようもなく喪失感を感じたり、涙が溢れてくることもあったり。
でも、母や親しい友人に話すことで、少しずつ気持ちが軽くなりました。
親友のうち2人も、同じような経験をしていたことを知って、「自分だけじゃないんだ」と思えたことも大きかった。
今後は、経過を見ながら治療を始めていこうと考えています。
怖さや不安はあるけれど、今できることを少しずつやっていこうと思えるようになってきました。
おわりに
1回目も2回目も、結果としては悲しい経験だったけれど、
その中で確かに感じた喜びや希望は、全部私の一部です。
流産は誰のせいでもない。
そして、私たち夫婦がまた一歩前に進めるようになったのは、こうした時間があったからこそかもしれません。
虚無感や怖さもあるけれど、
人生にはいろんな選択肢がある。
「子どもがいる未来」だけが全てじゃないと、少しずつ思えるようにもなってきました。
同じような経験をしている誰かが、この記事を読んで、少しでも気持ちが軽くなってくれたら嬉しいです。
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